ねこやまローカボ日誌

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中学受験ブログ24 自習室の殺伐とした雰囲気と生徒たちのメンタル問題



自習室の殺伐とした雰囲気と生徒たちのメンタル問題

 

自習室の違和感。

 

社会の大きさ・小ささに関わらず、感情の衝突は必ず存在する。

そしてその関係に、講師は過度に介在するべきだろうか。

 

塾内で生じる、生徒達のイライラ感。

その問題をいかに解決・放置するかの問題を考えた時期がある。

 

 

これは一人の中学受験生と体験した、2年間の受験記録。

お時間のある際にでも、お読みいただければ幸いだ。

 

~ 過去のバックナンバー ~

 

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生徒間の衝突と自習室での言い争い

生徒間の衝突と自習室での言い争い

 

自習室の雰囲気が荒れている。

 

塾内の学習スペース、自習室。

勉強することのみに注力し、その他一切の活動が許されぬ場所。

 

小学生から高校生、果ては浪人生まで存在する年齢のるつぼ。

多くの進学塾が用意している、非常に大切な空間である。

 

 

この自習室が、年に数回荒れることがある。

目に見えない違和感が、この場所を包み込む時がある。

 

それは夏期講習冬期講習受験直前の約3回。

これは生徒達の精神状態が削られている、メンタル繁忙期である。

 

この時期に自習室から感じる、所定の違和感。

それは様々な擬音で表現することができる。

 

 

そわそわ、イライラ、いじいじ、びくびく。

がみがみ、あせあせ、ふわふわ、ワクワク。

 

生徒だけでなく講師も感じる、これらの感覚。

これは受験が近づくたびに感じる、彼らの成長の叫びである。

 

毎日勉強しているのに、思ったように上がらない成績。

こんなにも勉強しているのに、なぜ叱られなければならないのか。

 

夏休みなのに、自分だけここで勉強している。

他の非受験生は、今頃サマープールで遊んでいるのに。

 

ここで目立つのは、これら負の感情

多くの受験生が感じる、決して楽しくない気持ちである。

 

 

そして同時に、陽の感情も存在する。

これは比較的良い成績が出始め、学習自体にのめり込み始めた生徒である。

 

次の模試では、偏差値をさらに4あげる。

滑り止めでB判定が出たら、もう一つ上の大学を狙おうか。

 

いや待てよ、せっかくならMARCHでウハウハの大学生活を送りたい。

MARCHのテニサーなら、もしやリア充ライフが送れるのではないか。

 

この負と陽、二つの対立する感情。

これらの感情が自習室に溢れた時、どえらい事件が起こり得るのだ。

 

 

約300人が在席していた、私の進学塾。

ある日、その自習室で生徒間のいざこざが発生した。

 

聞くところによると、この負と陽の感情を持つ生徒同士の衝突事件。

それは自習室で唯一死語が許される、昼休みご飯中のトラブルだ。

 

 

まず最初に、ある生徒の軽い自慢から会話は始まった。

それはあと少しで合格ラインに届くと言う、模試の結果のお話だ。

 

そして彼は不用意にも、滑り止め中学の話をしてしまう。

あの滑り止めなら問題ないから、今月中にでもレベルを上げるつもりだと。

 

そしてそれは、その話を近くで聞いていた生徒の耳にそっと届く。

最悪な事にその滑り止めの中学は、その生徒の超第一志望だった。

 

その話を聞き逃さなかった近くの生徒は、耳をそばだて続けた。

そしてある一言の発言を効くや否や、その生徒につかみかかった。

 

「滑り止め中学に受かっても」

「僕は死んでも行きたくない」

 

近くにいた生徒は、当然烈火のごとく怒りだす。

自分が死に物狂いで狙っている中学を、全否定されたのだから。

 

 

そしてそのケンカの様子は、即座に講師室にも響き渡った。

怒号の様な小学生のケンカが、わずか5メートル先で開催された。

 

当然その仲裁に、近くの講師が引き出される。

ファミチキを食べていた私も、例外なく連行された。

 

そして駆けつけ、驚くその光景。

そこには鼻血を出しながら殴り合う、二人の生徒が転がっていた。

 

 

……。

2人とも私の生徒だ。

 

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生徒に乗り越えさせるべき、周囲との相違

生徒に乗り越えさせるべき、周囲との相違

 

コイツが最初にバカにした。

 

耳慣れたセリフから始まる、2人の生徒の事情聴取。

私はファミチキをごみ箱に捨て、彼らを面談室に呼び出した。

 

これから約1時間後、彼らの両親がやってくる。

それまでの時間、私は何をするべきだろうか。

 

より両親に怒られないように…。

より私の責任が拡大しないように…。

 

いかに彼らを説得すれば。

この場を穏便に治められるか。

 

…。

いや、まてまて。

 

私はクズか。

 

何を心をスリ減らしたおじさんみたいなことを言っているのだ。

そもそも彼らは、私の可愛い生徒ではないか。

 

責任回避だけに注力する。

今も尚自分が最も嫌うタイプの人間に、自ら突進するつもりなのか。

 

 

私の義務は、彼らの根本からの分かり合い

それに尽きるだろう。

 

そして次に、彼らが同じ種類のトラブルに遭遇した時の対策として。

彼らに乗り越えさせる力を与えることだ。 

 

 

生きていれば必ず遭遇する、周囲の意見との食い違い。

その食い違いをいかに受け入れ、バランスよく生きていくか。

 

その具体的な方法を、大人の感覚無しで理解させる。

彼らがより生き易いよう、彼らの言葉で理解させる。

 

 

両親たちが到着するまで、あと一時間。

恐らくその一時間後には、一般論が展開されるだろう。

 

何が正しくて、何が間違っているか。

その事実を理解させながら、お話は予定調和的に終わるだろう。

 

 

いや、それはだめだ。

私は彼らに、これから自身で解決する術を知って欲しい。

 

彼らが今回必要としているのは、正論ではない。

あくまでこれから彼らを生き易くするための、ライフハックである。

 

正論だけが、人生を豊かにしてくれるとは限らない。

どんな思考があれば、より豊かな人生を送れるかを伝えたい。

 

鼻血を出した二人を目の前にして。

私は上手くそれらを伝えることができるだろうか。

 

~ 次回25回に続く ~