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ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

~快適雑記~ 子供に勉強を教える時、同じことを繰り返させる方法っていいよね(その⑤)



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物事を考える、それも正しく。

 

分かっちゃいるけど、やめられない。

そんな発想を、子供の頃にどうやって克服するか。

 

このお話は、前回からの続きである。

お時間のある際にでも、お読みいただければ幸いだ。

 

 

 

 

 

生徒に対する過度の期待と反省

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一体、どうしろというのだ。

 

明らかな難題を突き付けられた、初回授業。

24歳の私にとって、受け入れがたい現実だった。

 

多くの生徒達を見てきたため、ある程度の覚悟は出来ているつもりだった。

どんな生徒でも必ず伸ばせる自信も、少なからず持ち合わせていた。

 

 

しかし今回は、種類が違う。

何かを教えるというステージに、辿り着けていないのだ。

 

いや実際には、こういった生徒の方が多いのかもしれない。

ただ私に経験がなく、多くの子供たちがこのレベルなのかもしれない。

 

だとしても、0秒シンキングとは思わなかった。

さすがのご両親も、これには物申すだろう。

 

もう少し考えるべきでしょ?だとか。

まだ時間あるから、コウちゃん頑張ってみなさい!だとか。

 

私はご両親の方を振り返り、援護射撃を要請した。

困りましたね?と言わんばかりの、共感を求める一瞥を投げつけたのだ。

 

そうすれば、この状況を何かしらバックアップしてくれるだろう。

ご両親&ねこやま軍が、小5の子供を攻め立てるのだ。

 

 

 

しかし、私の発想は完全に甘かった

何故私は、そんな都合の良い解釈をしまったのだろう。

 

「何でこんな難しい問題なんですか!!」

 

小テストの難しさに激昂する父親と、それに共感する母親。

その口調の裏側には、一切の仲間意識を感じなかった。

 

そしてその陰に隠れ、こちらを覗き見るコウスケ。

まるで幼少期の孫御飯を紹介する、孫悟空の様だ。

 

 

そのまま模範解答を指導し、私の初回授業は幕を閉じた。

彼らは帰りがけに、どうやらお寿司を食べにいくようだった。

 

 

授業終了後、私は全面的に考え方を改めることにした。

何が問題だったのか、徹底的に検証するべきだろう。

 

 

確かに考えてみれば。

私がコウスケに求めていることは、ずれていなかっただろうか。

 

これから受験を始める生徒に、私は何を期待しているのだ。

そもそも彼らはこの状況を打破したいからこそ、入塾してくれたのだろう。

 

受験生が持つべき思想を、最初から持っているわけがない。

持っていたらラッキー!くらいの姿勢で挑むべきだったのだ。

 

 

しかも私がこの小テストで求めていたのは、「物を考えること」

これこそ最も身に付けるのが難しいスキルではないか。

 

それを最初から持っていないからと言って、何を落胆しているのだ。

私はそのことを大いに反省し、次の授業に挑むことにした。

 

 

しかし…。

何から始めればよいのだろう。

 

全く見当がつかない私は、先輩講師に相談を持ち掛けた。

岸本という名前の彼は、その塾で最も尊敬できる先輩の一人である。

 

 

 

信頼できる先輩への相談

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彼は基本、厄介な生徒を担当している。

表現は悪いが、非常に包括的な厄介な子というくくりである。

 

そんな彼は、当時で10年以上のキャリアを持っていた。

年齢の割に若く見える、新人の私にも非常に腰の低い先生だ。

 

その柔らかい物腰は、どんな生徒の警戒心もうち溶かす。

胸ポッケまでしかないネクタイが、彼の最大のチャームポイントだ。

 

 

そもそも、なぜコウスケは岸本先生の担当ではないのだろう。

4月の初めの今の時期なら、岸本先生の担当数にも余裕があるはずだ。

 

その疑問点も含めて、私は尋ねてみた。

すると岸本先生は、その短いネクタイをいじりながら色々と教えてくれた。

 

 

まず最初に、なぜコウスケが私の担当になったのか。

それは単純に、塾は私を岸本先生の後釜として育てるつもりだということだ。

 

どうやら岸本先生は、本年で退塾されるとの事。

その専門性の高さから他の塾に引き抜かれる、岸本先生の後釜になれと言うのだ。

 

 

問題児専門講師。

そんな表現を使えば、非常に分かりやすい。

 

この一年間で、問題児の扱い方を完璧に把握しろと。

岸本先生のテクニックを完全に吸収し、第二の岸本として活躍しろと。

 

そもそも岸本先生に相談に行くことも、上司は予見していたらしい。

そんな簡単なホウレンソウすら出来ないなら、昇格もないと考えていたらしい。

 

 

ぐぬぬ…。

いつでも私は塾の手の中で転がされていたのか。

 

最初の授業で失敗することも。

岸本先生に相談に行くことも、全てお見通しだというのか。

 

 

ただ、質問できる相手がこの先生でよかった。

じっくり時間をかけて、そのテクニックを教えていただけるだろう。 

 

そう考えて、私は面談から初回授業の様子までをお話した。

「お母様」などと心にもない表現を使い、 自分の感情を抑えながら。

 

全ての話を遮ることなく、岸本先生は耳を傾けてくれた。

まるで父親に学校での出来事を話している気分だった。

 

そして話を聞き終えると、彼はアドバイスをくれた。

「今、ねこやま先生がしなきゃいけないのはこれだよ」と。

 

岸本先生に頂いたアドバイス

 

コウスケと問題を一緒に問くこと。

2週間、おなじ問題だけを扱うこと。

 

コウスケに足りないのは、知識ではない。

問題の考え方を、大人が考えた機智のある言葉で理解させることでもない。

 

ただ共に歩むこと。

そして思考が停止した時に、脳の代わりに彼を引き戻すこと。

 

同じ問題を解かせ、回答を覚えさせること。

そしてその回答が、問題とどのようにリンクしているのかを気付かせること。

 

 

私は完全に思考停止した。

入塾2年目の私には、遠く理解できない発想のように感じたのだ。

 

 

その⑥に続く