ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

中学受験ブログ⑪ 生徒の思考能力を育てる圧倒的な演習回数と、その素晴らしい効果



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段々と変化を感じさせる。

 

同じ問題を解く中で、微妙に違う部分を探させる。

そしてその変化が、解答にどう影響するのかを意識させる。

 

 段々と王道の解答が出来るようになってきた、コウスケ。

じわりじわりと変化するその状況に、彼は何を感じているのだろう。

 

 

このお話は、前回からの続きである。

お時間のある際にでも、お読みいただければ幸いだ。

 

~ 過去のバックナンバー ~

 

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思わぬ出費とコウスケのモチベーション

思わぬ出費とコウスケのモチベーション

 

新しい参考書が届くとすぐに、私はコピー機に向かった。

同じ問題を繰り返し解かせるために、コウスケに書き込ませるコピーを取りに。

 

その枚数は、約500枚

一度のコピーでA4のコピー用紙を一つ喪失させる、恐るべき枚数だ。

 

それゆえ私は、いつも事務の鳥井さんに睨まれていた。

ねこやま先生は、いつも大量のコピー用紙を使い過ぎると。

 

 

しかし、それには私なりのワケがある。

決して、いたずらにコピー用紙を喪失させていたわけではないのだ。

 

① 同じ参考書を5冊発行するより、はるかに安い

② 参考書の到着を待たず、すぐに与えられる

③ 宿題の管理がやり易く、追加も簡単に与えられる

 

まず、表面的にはこの3つの理由がある。

いつもこの理由を鳥井さんに伝え、睨め上げる視線を圧殺してきたのだ。

 

 

ただし、本当の理由はそこではない。

本当の理由を告げると、鳥井さんのヒステリックが爆発してしまうのだ。

 

本当の理由は、コウスケの満足感

何百枚も積み重なった解き終わりの解答を見て、彼は本当に素敵な笑顔になる。

 

 

恐らく、コウスケは自分にあまり自信がないタイプの生徒だった。

しかしそんな彼の自信を取り戻してくれたのは、解き終えた問題の束だった。

 

積み重なり、毎回高くなっていく解答用紙の束。

それを彼は、持参した定規で嬉しそうに測るのだ。

 

そしてその高さを、綺麗とは言えない文字でノートに書いていく。

恐らくその達成感こそ、彼を動かす原動力の一つだったのだろう。

 

 

しかし、毎月の私の給料明細には。

一つの使用明細が、毎回しっかりと減算されていた。

 

「コピー用紙2500枚:7500円」

 

一体これは、何算で算出されているのか。

鳥井さんに問いただしたい気持ちを、私はいつもぐっとこらえていた。

 

そしてその大量のコピー用紙を持ち、私は授業に挑むのだ。

お土産だよ!」とコウスケに渡すと、彼は「あちゃー」と声に出すのだ。

 

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Vol2の悪魔と慣れのチカラ

Vol2の悪魔と、コウスケの慣れのチカラ

 

そして新しく始まった、一つ上のレベルの問題集。

Vol1より高い読解力と計算式が求められる、Vol2の始まりである。

 

まずは、その難易度の高さをコウスケに説明する。

そして同時に、今までの問題とは文章や解答が違うことを注意する。

 

もちろんコウスケは、覚えた解答をそのまま書き込むタイプの生徒ではない。

この説明は念のためであり、これから始まる問題への意欲を高めるためである。

 

 

そしてまずは、一枚問題用紙を与えてみる。

彼がどのくらいの速度で解答するのか、楽しみにしながら。

 

差し出された問題を、コウスケは声に出して読む。

恥ずかしげもなく、「図書館に行った次郎君は…」など、はっきりと声に出すのだ。

 

そして今回は、その音読にも時間がかかっている。

それは問題文の読解力が高く、そして登場人物の動作が複雑であるからだ。

 

 

Vol1ならば、素直に学校に行っていた弟と兄は。

Vol2では、買い食いをしまくるのだ。

 

Vol1ならば、吹奏楽だけを楽しんでいた姉が。

Vol2では、さらにバスケットボールまで嗜み始めるのだ。

 

そのぶん計算式も複雑になり、コウスケを悩ませる。

一度の読解で、二つの情報処理をしなくてはならない。

 

そして使う計算式は、単純な四則計算だけではない。

段々と特定のルールに基づいた、特別な発想が必要になる。

 

 

Vol1で15分で解答できた問題が、約30分

単純に倍の時間を、費やさなければならなかった。

 

しかし今回も、私のスタンスは傍観である。

コウスケがいかに答えを求めてきても、詳しい解き方は教えない。

 

教えるのは、一言だけ。

「掛け算」「鶴亀算」など、たった一言の助言に留めていた。

 

そしてその助言を拾い、コウスケは頭を悩ませる。

問題文を蛍光ペンで塗りたくり、どこに「鶴亀算」を使うのかを検討するのだ。

 

 

文章読解レベルも高く、算数式も難しい。

しかしその難しさは、あくまでも解き慣れたVol1に準拠していた。

 

もし先に、Vol1を繰り返し説いていなければ。

きっとコウスケは、動かない石像になっていただろう。(ドラクエ)

 

 

しかし今は、彼は亀の歩みでも進むことができる。

じわりじわりと、500枚の問題用紙を追いつめている。

 

もし彼に、Vol2問題集を三週間で解かせきったなら。

私は二周目を、二週間で回す自信がある。

 

そして三周目は、一週間

以後一週間に一冊のハイペースで、ぶん回すことができるだろう。

 

 

それはひとえに、彼が身に着けてきた以下の要素のおかげ。

これらの要素があるからこそ、彼は人並み以上のぶん回し力を発揮できるのだ。

 

コウスケが身に着けている要素
  • 同じ問題を監視下でひたすら解ける、演習体力がある
  • 似た問題を繰り返し解答したことで、読解力のサポートがある
  • 問題の達成感を、ビジュアルで確認できる(重なった問題用紙)
  • 登場人物の家族構成を覚えている(おまけ)

 

これぞ彼が装備している、4つの受験法具。(実際は3つ) 

問題内の家族構成を把握したことで、感情移入もたやすいのだろう。(たぶん) 

 

 

さぁコウスケよ。

ここから私と、500枚をぶん回そうではないか。

 

そう告げると、コウスケはうっへぇ!と言った。

そして昭和の漫画のような、見事なずっこけを見せてくれた。

 

~ その⑫に続く ~