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ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

~快適雑記~ 子供に勉強を教える時、同じことを繰り返させる方法っていいよね(その②)



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同じことを繰り返す力を、子供に教える。

 

子供の内に伝えられることを、一つづつ教える。

そしてその教えられることとは、難しい論理ばかりではない。

 

 

このお話は、前回からの続きである。

お時間のある際にでも、お読みいただければ幸いだ。

 


 

ベテラン講師のフォローアップ

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なぜこの先生とのタッグなのだ。

 

私が最も苦手とする、O山先生。

なぜ上司は、この先生と私のタッグで行こうと思ったのか。

 

確かに彼には、10年を超えるキャリアがある。

その分知識も豊富で、知識容量的にも私をはるかに凌ぐだろう。

 

全国の分校を統括する集団授業も、ご経験されている。

伊豆で毎年開催される、夏期合宿でもメインとなる人物だ。

 

 

だが、しかし。

 

今回の問題点は、何なのだろう。

圧倒的な知識を教える事にフォーカスし、この先生が選ばれたのだろうか。

 

知識を詰め込むことだけに注力し、受験を乗り切ろうと言うのか。

公立小学校の生徒を受験生にするには、知識補充だけでは足りないはずだ。

 

一週間のうち、生徒とどのくらい一緒に勉強できると言うのだ。

恐らくその時間は、生徒に求められる勉強量の数%にも満たないだろう。

 

 

もちろん彼も、知識以外のことも教えるだろう。

 

受験生としての心構えや、勉強方法、問題への着目点。

記憶方法や一日の使い方など、基本的な事項を教え込むだろう。

 

それはきっと、一定の効果を上げるだろう。

まだ本格的な勉強をしていない生徒であれば、一時的な成果上昇は難しくない。

 

 

そして問題は、そこであると感じた。

一度点数が上がり、そこから下がった時のフォローを誰がするかという事だ。

 

見る限りO山先生は、集団授業をメインに行っている。

そのため、この生徒に対して個別につきっきりにはなれないだろう。

 

さらに私は、ひよこ並の新人だ。

そのフォローを行い、O山先生に報告するネットワークが確立されていないのだ。

 

そしてそのフォローに関しても、一定の意識統合が必要になる。

O山先生がどのような目的で授業をし、着地させようとしているのか。

 

 

その意識をすり合わせていない状態で、十分なフォローなど行えない。

ただ今は数をこなさせればいいんだ」と言われたら、それでクローズしてしまう。

 

O山先生の考え方と合わせなければ、きっと授業は瓦解する。

講師が同じ方向を向いていなければ、最も混乱するのは生徒だからだ。

 

 複数の講師が担当する授業の崩壊は、思いのほか一瞬だ。

 

なに先生がそんなこと言ったの?」

授業内のこの一言で、全てが欺瞞に変わる。

 

そうなったら、もうヤバい。

 

お互いの講師が、その生徒の信頼を奪い合おうとする。

そしてそれは、自分の授業の方が優れているというアピール合戦に変わる。

 

生徒は置いてけぼりになり、各科目の成績上昇率の戦が繰り広げられる。

その戦の中には、全体としての方向性など含まれていないのだ。

 

 

そもそも進学塾は、講師のプライドがのように高い。

進学実績の会話から、和民で殴り合いに発展するレベルである。

 

そしてO山先生もまた、S級のプライド保持者である。

自分以外の教育法を認めず、すべて自分の思う指導方針を求めてくる。

 

 

これはメンドクサイ。

 

年間12回確定申告をしなければならないほど、メンドクサイ。

 

しかしもはや、O山先生を外してもらうわけにもいかない。

そんな提案をすれば、今度こそ私は択捉に飛ばされるだろう。

 

そして合格させなければ、私はきっと減給される。

それどころか、この塾にいる限りO山先生にずっと睨まれるだろう。

 

 

おおこわっ!!

これは何に対する罰ゲームなのだ。

 

生徒に借りたシャーペンを、落として折ってしまったことに対する罰なのか。

そしてそれを「え?最初から折れてたよ?」と、虚偽報告したことなのか。

 

どちらにしても、これは今までの生徒と明らかに異なる。

自分でガンガン教えるのではなく、サポート役に徹する必要があるようだ。

 

 

サポート役…。

 

あまり慣れていない、この裏方作業。

今回の受験では、この裏方作業のプロになるしかないのだ。

 

そうすれば、全てがうまくいく。

生徒は合格O山先生もニッコリ私も昇級

 

そう考えると、何だか最高にやる気になってきた。

この路線で行けば、私にも勝機が見えてきたからだ。

 

 

 

ベテラン先生との会話と違和感

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早速私は、挨拶に行った。

今回の講師陣の核になるだろう、O山先生のところに。

 

 

先生!宜しくお願いします!!

私、全力でバックアップさせていただきます!!

 

そんな元気の良い挨拶と共に、自己紹介をさせていただいた。

担当させてもらう教科と、フォローさせて頂く旨を。

 

 

するとO山先生は、タバコを吸いながらこう仰った。

 

バックアップって何?

意味わかってんの?

 

 

おおう…。

 

最初から中々ケンカ腰だ。

一言で伝えきれるはずもない言葉の深層を、敢えて聞き返すと言うのか。

 

しかし、これも仕方がない。

確かに新人に軽々しくバックアップなど言われて、良い気分ではないだろう。

 

 

そしてその喫煙コーナーで、私は出来るだけ細かく説明した。

こういうふうに考えていて、このようなフォローをさせて頂きますと。

 

言葉は稚拙だが、熱意をもって。

上げ足を取られないように、言葉を取捨選択しながら。

 

 

すると彼は、タバコをもみ消しながらこういった。

 

自分、結構考えてるんだ。

でも実際は難しいから、頑張ってね。

 

 

おおっ!

意外と優しいお言葉ではないか。

 

先ほど「O山先生って偏屈だよね」とか言っていた自分が、とても恥ずかしい。

自分の考えしか認めない先生」とか、人の意見を鵜呑みにし過ぎだ。

 

そのままタバコを一本貰い、生徒の話を少しした。

どうやらO山先生も、結構なヤバ目の生徒だと聞いているらしい。

 

噂では、入塾テストの結果は最下位の層

「一日は何時間ですか?」という算数の質問に、5時間と答えたらしい。

 

何という、時をかける少年なのだろう。

寝ている間に一日が終わってしまう計算だ。

 

そんな猛者を、私たちはこれから担当すると言うのか。

あと2年間で偏差値的にも16上昇させ、合格に導かなければならないのか。

 

 

その場でしばらくO山先生とお話をし、指導方針を伺った。

 

これからどのような授業を行い、宿題を与えるのか。

具体的な演習量と使用する教材、自宅での演習方法。

 

細かく説明してくれるO山先生は、流石だと思った。

何も用意していない段階で、ここまで詳細に人に説明できるのか。

 

私は持参していたメモに細かな内容を書き取った。

そして先生にお礼を述べ、一人で講師待機室に戻った。

 

 

何言ってんのか、分かんねぇ…。

 

正直に言うと、彼の指導方針が全く分からなかった。

ある程度理解はできるが、何故それが合格に繋がるのかが分からなかった。

 

これは私の講師としての経験値不足によるものだった。

生徒が動いている具体的なイメージが湧かず、机上の空論のように感じたのだ。

 

 

そしてさらに、彼独特のロジカルな指導方針

これが正直、厄介だった。

 

その論理は、成績上位者を教えている講師の発想。

ある程度考えて行動できる生徒と共有する発想であって、全ての生徒は受け入れられないだろう強者の論理だった。

 

恐らく、長年の経験で導いた教育論理なのだろう。

大人が悩んだ末に導き出した答えは、新人の私にすら難しかった。

 

そしてO山先生は、その論理を小学5年生に与えようとしている。

その強者の理論を非受験生に与え、上位生と同じ発想を持たせようとしているのだ。

 

 

2年で足りるのか?

ぶっちゃけ、その達観した理論が生徒に吸収できるとは思わなかった。

 

一日の時間を5時間と答える生徒なのだ。

大人が毎晩悩んだ発想と学習理論を、2年間で吸収できるのだろうか。

 

そもそもこの生徒は、恐らくぶっちぎりのわんぱく者だ。

そんな子供が、私の理解が及ばない論理を理解しようとするだろうか。

 

たとえそれが、圧倒的に分かりやすい表現で説明されたとしても。

その複雑な効果を理解できるまで、彼はじっと机に向かってくれるだろうか。

 

 

すごく大きな違和感を感じた。

 

子供を動かすには、もっともっとシンプルな方法が良い。

そして自分の行動による結果を、もっと体験させてあげるべきだ。

 

自分の行動が、自分を変えていく。

そんな小さな成功体験を、一つづつ積み重ねてあげるべきだ。

 

大人が悩むような論理ではなく、もっとフットワークの軽い行動を。

思わず鉛筆を握り、反射で学習できるような仕組みを。

 

しかし今回、私はバックアップ役である。

彼にO山先生と異なる発想を、刷り込むわけにはいかないのだ。

 

 

私は何をバックアップできるだろう。

 

その日から、私は徹底して考えた。

彼が教えられるであろうO山先生の方針を変えず、彼を変える方法を。

 

自分自身の力を使い、自分を成長させる方法。

そのために私は、何ができるだろうか。

 

その③に続く