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ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

~快適雑記~ 子供に勉強を教える時、同じことを繰り返させる方法っていいよね(その④)



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同じことを繰り返す大切さ。

 

その重要性に、早い段階から気づかせる。

そしてそのためには、適切な誘導が必要になる。

 

 

このお話は、前回からの続きである。

お時間のある際にでも、お読みいただければ幸いだ。

 

 

 

 

 

再面談と上司の変容

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コウスケとの最初の授業が終了した。

そしてそのまま、初回授業後の面談が開始された。

 

 

「いかがでしたか?」

 

満面の笑顔で尋ねる、私の上司。

事情を全く知らない彼は、いつもの営業スマイルをぶちまけている。

 

いかがも何も、あったものではない。

そもそも授業らしいことなど、何も出来ていないのだ。

 

わずか10分で終わってしまった授業で、どんな感想を言えというのか。

 

当然困惑する、コウスケのご両親。

特段褒めるところも見つからず、完全に押し黙っている。

 

 

板書がきれいだったり、授業が分かりやすかったり。

本来、初回授業は褒めるところが多数存在する。

  

しかし今回の授業は、話が違う。

ただ小学5年生の言い訳を、大人3人で聞いただけなのだ。

 

確かにコウスケの言い分を、言い訳と断定するべきではないかもしれない。

ただこの状況で、彼の言い分を全面的に受け入れるメリットも存在しない。

 

初回授業から自己弁護のかけらを見せるなら。

それもまた、今後解決しなければならない部分なのだ。

 

 

初回授業を全く褒められない現状を見て、上司が私を睨みつけた。

おい、ねこやま。どんな授業をしやがったのだ。」といった雰囲気だ。

 

これは致し方ない。

上司のねめ上げるような目線も、ごもっともである。

 

褒められる要素が無かったのは、事実だ。

次回の授業で、はりきって挽回しよう。

 

 

そう自分を奮い立たせ、上司に満面の笑顔をお返しした。

どういう類の笑顔なのか、上司は完全に困惑していたのを覚えている。

 

すると上司は、おもむろにこう言った。

「じゃあ今から、もう一回授業しましょうか?」

 

 

おい、何を言っているのだ。

まさかあなたは、私にもう一度授業をしろと言うのか。

 

「ねこやま、お前行けるよな?」

「お前の次の授業、他の先生に任せるから!」

 

そんな提案を、事もなげに告げる鬼畜上司。

次の授業が私が最も楽しみにしている、JKの授業だと知っての狼藉か。

 

ぐぬぬ…。

最悪だ…。

 

ただ、この状況で立場上NOとは言えない。

ご両親も乗り気になり、もはや後には引けない状況である。

 

これから90分、追加でコウスケの授業を行う。

まあ準備もしてあるし、よく考えれば全く問題もないだろう。

 

JK授業に関しても、私のありがたみが分かるかもしれない。

「やっぱりねこやま先生の授業が一番!」みたいな展開になるかもしれないのだ。

 

 

するとどうだろう。

面談室の片隅に座る、ジュラシックパークのTシャツの子はこう言い放った。

 

「友達と遊ぶ約束している。」

 

 

もうだめだ。

 

今度はどストレートに、さぼるための口実を投げつけてきた。

全く隠そうとしない今回の言い訳には、爽快感すら漂ってくる。

 

そんな直接的にさぼりたがられたら、私はどうしたら良いのだ。

ねえ、どうしたら良いのだ。

 

これは恐らく、ご両親のフォローも入るだろう。

そしてなんだかんだ理由をつけて、この授業は無くなるだろう。

 

つまり私は、JKの授業に行ける!

よく考えれば、WIN=WINの構図が完成しているではないか!

 

 

しかし、そうは上司が許さない。

忘れかけていた彼の鬼神の一面が、そこで発動したのだ。

 

 

「ふざけんな。お前が遅刻したからだろう。」

全く容赦のない発言を、初対面の小5の少年にぶんなげたのだ。 

 

そうだ、彼は初対面の小学生でも容赦はない。

例えそれで場が凍り付こうとも、将来の位置関係を確保する男なのだ。

 

当然ながら上司の狂気じみた一言に、ご両親も凍り付いている。

これは今までの経験上、絶対に授業を行うパターンだ。

 

 

そして案の定、すぐに二回目の授業が開始された。

涙目のコウスケのTシャツの恐竜は、水玉模様になっていた。

 

 

さぁ、ついに正式な授業だ。

ここで思う存分、キミの力を推し量ろう。

 

知識だけでなく、その問題への取り組む姿勢。

「物を丁寧考える」という、個別に乖離する力を見せてくれ。

 

 

 

 

凝視で見えてきた問題点

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授業が開始され、早速小テストを解かせてみることにした。

何はともあれ、彼の実力が知りたかったのだ。

 

ただ、その小テストで確認するのは知識量ではない。

少し頭を使えばわかる問題を、考える余裕があるかという点だ。

 

 

この考える余裕という要素、実は非常に重要。

限られた時間で物を考えるというのは、みなが当然に出来るものではない。

 

考えるというスイッチは、入っているようで入っていない。

多くの場合は悩んでいるだけであって、考えてはいない。

 

悩むと考える、これは大きく違う。

悪戯に壁にぶつかる前者と比較し、後者は鍵の開け方を模索するのだ。

 

 

正しく考えられるか。

それは知識を繋げ合わせるという、めんどくささを克服できるかによる。

 

大抵はこのめんどくささを克服できず、知識で勝負する。

そしてそれは普段の勉強における、知識の吸収率に比例してしまう。

 

同じ知識量を持っていても、この要素は非常に大きい。

これからの学習効率を、何倍にも引き上げてくれる要素なのだ。

 

つまり簡単にいうと、きちんと問題を考えているか。

分からないという判断が、どれほど早いかを見たかったのだ。

 

 

私はコウスケに、その小テストを渡した。

そして同時に、忘れてきたと言う筆記用具も貸してあげた。

 

問題レベルは小学4年生

学年的には下のレベルだが、少し考えなければ分からない算数の問題だ。

 

時間は30分

じっくり物を考えるには、最適な時間である。

 

ただし、即諦める子も多い。

その場合、約10分で終了してしまうタイプの問題である。

 

 

よーい、はじめっ!!

 

彼に開始を告げ、私は時計のカウントを始めた。

そして同時に、ご両親にこのテストの意味合いをお話させて頂いた。

 

 

「こういう目的のテストです。」

「これでコウスケ君の、物の考え方を図らせていただきたい。」

「少し簡単なテストですが、良く考えなければ…」

『できた。』

 

 

え?

 

ご両親に説明をし始めた、わずか30秒。

背後から、コウスケの声が聞こえた。

 

『出来ました。』

「え?も、もうできたの?」

 

その瞬殺劇に、ご両親からは歓声が上がる。

 

流石こうちゃん!と興奮気味の母親と、にこやかなの父親。

どうだみたか!と言わんばかりの表情だ。

 

 

おお…なるほど!

 

私はどうやら、大きな勘違いをしていたようだ。

キミは実はできるタイプの生徒だったのか!

 

今まで疑いまくり倒してごめんね!

そう心の中で謝罪をしながら、私は答案を回収した。

 

 

THE・HAKUSHI。

意味:白紙

 

 

やってくれるぜ。

やってくれるぜ…。

 

完全に、考える気O

最も恐れていた、根本から思想を正していくべき生徒だったのだ。

 

 

こいつは結構な強敵が現れた。

これから夏に向けて、こいつは楽しくなってきやがった。

 

 

その⑤に続く