ねこやまローカボ日誌

美味しいご飯を気にせず食べたい、食べさせたい。だから厳選ローカボレシピを紹介させて。

中国旅行記21 声を失う夜・昼ダブルの絶景鳳凰川下り

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静かに出発した、鳳凰夜の川下り

 

地上から見る景色、川から見る景色。同じ建物と街並みのはずなのに、その光景はまるで鏡の中にいるようだった。

 

鳳凰にいられる時間も、あと僅か。どんどん増えていく同じような写真を、私は大切に保存した。

 

これは遅めの夏休みを使った、2週間の中国旅行記。皆様に少しでもお楽しみいただければ、最高に幸せです!

 

前回までの旅行記はこちら

 

 

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無言必須の夜の鳳凰川下り

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いざ出発だ。

 

船の揺れを感じると同時に、周囲から歓声が沸き起こった。そしてここからは、言葉が役に立たない時間が始まった。

 

何度もネットで拝見し、思いを馳せた鳳凰夜の川下り。いざそのスタートラインにつくと、思わず無言になってしまう。

 

なんだか運動会の緊張感に、すごく似ている。小学校の3年生のころ、盛大にこけた記憶が蘇る。

 

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僅かに川面が揺れ、隣接する建物の反射光が少し歪んでいる。同時に川の香りがふわりと広がり、子供の頃の川遊びを思い出す。

 

あぁ、そうだった。幼少期のスイミングスクール合宿で溺れた時も、確か同じ香りだった。

 

……。今思い出さなくてもいいか。

 

 

しかしそんな小さなトラウマも、綺麗にかき消してくれる。魅惑の夜の鳳凰川下りとは、そんな時間かもしれない。

 

そしてここから私達は、無言になる。そして私だけでなく、周囲のお仲間たちも一斉に静かになってしまう。

 

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わぁ…。

へぇ…。

 

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あらぁ…。

やだすごい…。

 

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ほほぉ…。

素晴らしい…。

 

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あらら…。

どうしましょう…。

 

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……。

……。(呆然)

 

完全に語彙力がお留守番になること、約30分。私たちの川下りがそっと終了した。

 

まるで○○みたい」「それは○○に似ていた」本来ならその様に、この光景を努力して表現するべきかもしれない。

 

しかしこの、鳳凰夜の川下り。私の言語力では、到底太刀打ちできない光景ばかりだった。

 

痺れるほどの光景の数々には、もはや語彙力は無力。逆にとっても綺麗でしたと申し上げたほうが、正解なのかもしれない。

 

いやぁすごい。とってもすごい。

 

私たちは絶句したまま、船頭さんと船乗りさんにお礼を伝えた。すると「どうや、すごいやろ」といった表情で、彼らはにっこり笑ってくれた。

 

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そして船を降り、川沿いからも再確認するように振り返る。するとこちらの光景もやはり美しく、この街の完成度の高さを再確認する。

 

まるで鏡の中に入り込んだような、水面と建築物のダブルのライトアップ。それはこの光景専用の形容詞が欲しくなるほど、堪えられない美しさだった。

 

 

はぁ、すんごい…。

 

なぜか少しの疲れを感じ、私たちは一杯飲むことにした。さらに相方もちこの足事情を加味すると、お店に入る必要もありそうだ。

 

何故ならこの鳳凰を始めとする、多くの中国では、公衆トイレが軒並み和式

そしてもし洋風トイレを求めるならば、オシャレなBARに飛び込むべきだ。

 

捻挫で足パンパンのもちこにとって、和風の踏ん張りスタイルはまさに地獄

そのため散財覚悟でBARに飛び込み、洋風トイレをお借りしなければならない。

 

わかる。足が痛い時の和式おトイレは、地獄だもの。踏ん張る以外に痛みに耐える、別の努力が必要だものね。

 

 

そんな私たちはもちこが移動できる距離で、おしゃんなお店を散策した。川下りの感想を話し合う時間も、少し欲しかったところだった。

 

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そう考えながら発見した、一つのお店。それは川沿いの二階に位置する、何とも雰囲気のあるお店だった。

 

店内にはアンビエントな雰囲気の曲が流れ、川沿いの家色も楽しめる。これは最良のお店では…と突撃し、店内に案内される。

 

しかしお洒落である。これは諭吉さんが裸足で逃げ出すお値段かも…。(ごくり)

 

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そして店内は、想像通りにオシャレが爆発している。もう絶対誰も読んでなさそうな、表紙買いしたに違いない本が一杯だ。

 

そして席に着くとすぐに、もちこがトイレにダッシュする。いや実際には捻挫の影響から、ひょこひょこヒヨコの様に歩いている。

 

やはり我慢していたのか。がんばれひよこ。

 

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そしてその間にお酒と珈琲を注文し、すぐさま目の前に運ばれてくる。こちらも二つで約110元(約1.870円)とクレイジー価格だが、本日は全然OKだ。

 

先ほどの夜の川下りの余韻が強く、もはやお財布事情も気にならない。ここで鳳凰のキーホルダーとか勧められても、二個くらい買ってしまうに違いない。

 

そういえば、お土産をまだ全然買っていない。できれば鳳凰っぽいデザインのものを、一つ買っておけば良かったなぁ。

 

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そんなことを考えていると、もちこがひょこひょこ戻ってくる。どうやら安心の洋式設計だったらしく、長時間の飲み会でも安心である。

 

良かった良かった。お手洗いが気になっていたら、楽しいお酒も楽しめないもの。

 

さらにご用意いただいた席の見晴らしも良く、これは何杯飲むのか想像もつかない。しかし昼間に買った啤酒もあるため、ここは一次会的な立ち位置になるだろう。

 

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先ほど船で下ったコースを、早速ドミトリーで貰った地図で確認する。するとどうやらあの距離でも沱江観光地域の1/3程度らしく、その広大さに感服する。

 

残りは次回来た時だね!と言いながら、お酒をちょびちょび大切に飲む。しかしお互い、この場所がそんなに簡単に来れる場所ではないことは理解している。

 

私たちがこの中国の奥地に再度来るのは、一体何年後になるのだろう。しかし今の時代、決心さえすれば楽勝で来れるのも事実である。

 

そう、要は数分の決断力。「AMAZONは迷うよりポチる!」そんな人の方が、人生経験が豊富なのではないだろうか。

 

実際にこの中国旅行も、本当は何年も何年も願っていた。しかし様々な小さな理由が積み重なり、その実現は伸びてしまった。

 

仕事の進行状態、季節のイベント、エアチケットのお値段。同僚の有給申請や繁忙期、ブログの作成や切りすぎた前髪の育成など。

 

小さな理由が重なり、その度に私の決心は鈍っていた。ただ勢いでチケットをポチってしまえば、あとは焦りが解決してくれる。

 

自分を焦らせるって、大切だなぁ。でもお仕事では、できればそんなに焦りたくないけれどね。

 

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そして明日でこの鳳凰とも、お別れである。悲しくなるかと思ったが、意外とへっちゃらな気分である。

 

何故ならこの旅の記録を、旅行記という形で残せるから。自己満足にも近い文章ばかりだが、そのおかげで寂しさも感じない。

 

いきなりではあるが、この旅行記をお読みいただき本当に有難う。一人の方でもお読みいただければ、最高に幸せだ。

 

※三月中に大幅にリライトを施しますので、宜しければ読み放題の電子書籍もご覧になってやってくださいませ。

 

 

そして約1時間ほどもちことお酒を酌み交わし、明日の予定を確認する。明日は夜の20時、予約している運転手の方にお迎えに来ていただくことになっている。

 

つまり私たちに残された時間は、あと24時間。丸三日もあった憧れの鳳凰散策も、どうやら終わりが近づいているようだ。

 

しかしここで悲しんでしまっては、残りの24時間に申し訳ない。ここから実は一泊でしたぁ!と自分を誤魔化し、鳳凰を満喫するべきだ。

 

最初から一泊しかなかったと思えば、今日は旅行の初日である。あぁ、ついに鳳凰に来たなぁ!と自分を錯覚させておこう。

 

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そう決心してお店を飛び出し、二件目のお店に突撃する。もうお酒は存分に楽しんだため、〆のデザートを食べたかったのだ。

 

先ほどのお店で食べても良かったのだが、珈琲でも一杯50元と激高だ。ここは今後の旅を考えて、庶民価格のお店に移動したかった。

 

さらに外は少し肌寒かったが、ギリギリまで鳳凰の夜を楽しみたい。そう考えて二件目のお店でも、同じく川沿いの席に座らせていただいた。

 

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私たちは、この旅で何回お世話になっただろう。約20元(約340円)で食べられる、この極甘アイスに。

 

働きアリも女王蟻に渡す前に食べ尽くしそうな、強烈な甘みのこのアイス。これがまた疲れた体に速攻届き、にっこり笑顔になる美味しさなのだ。

 

ガクブル震えながらもアイスを掬い、跳ねる魚を眺めながら一口食べる。もちこの捻挫に効くかは不明だが、私の脳にはダイレクトに届く。

 

あぁ寒い。でも美味しい。寒美味しい。鯉も跳ねてる。

 

一個で良かったねと少し後悔しながら、カバンのお酒を再確認する。さぁ鳳凰最後のドミトリー飲みは、とことんへべれけになろうではないか。

 

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中国伝統を感じさせる提灯の灯る、ドミトリーの渡り廊下。もう深夜にもかかわらず、部屋中から子供たちの笑い声が聞こえてくる。

 

そりゃこれほど楽しい夜なのだから、きっとお子様も寝付かないに決まってる。まだ寝ない~!と高らかに宣言し、ベットを飛び跳ねるのが正解だ。

 

子供の頃に仲の良い親戚が遊びに来たら、根性で12時まで起きていたものだ。今叫んでいるお子様は、当時の私のテンションと同じに違いない。

 

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鳳凰の価格バランスと昼の川下り

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10月21日。

 

本日も近隣住宅から聴こえてくる、軽快なピアノ音で目を覚ます。同じ箇所を繰り返し練習しているため、思わずスマホのアラームかと思ってしまう。

 

さらに気候は昨日ほどの快晴ではなく、少しだけどんより沈んでいる。その光景を見て、私はハッと昨日干した洗濯物を確認した。

 

(;´・ω・)

 

完全に生乾きである。

 

絶対電車で隣になりたくないほどの、強烈に不快なあの香り。やはり僅か2泊の滞在で、2週間分の洗濯物を洗うのは無理があったのかも知れない。

 

これは臭い。いわゆる生乾菌というものが、目視できそうだ。

 

窓際に干していた靴下は何とか乾いているものの、おパンツ系は全滅である。ラストの5日間、私は2パンツで過ごさなければならないのか。

 

そもそも、2週間の旅行で6パンツというのも計算がおかしい。何亀算を使っても、深刻なパンツ不足であることは明白だ。

 

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そんな生乾き事情も知らず、相方もちこは爆睡である。捻挫の具合を確かめたいが、まだゴマちゃんの様にもぞもぞ動いてる。

 

確かに昨日、捻挫をしているにもかかわらずバカスカ飲んでいた。まだ捻挫の部分は目視できないが、もしかしたらデコポン位に腫れているのでは…

 

仕方なく私は20時のお迎えに備えて、パッキングを開始した。まず最初にめんどくさい作業をしておけば、あとは盛大に遊ぶだけである。

 

 

そして、実は本日。最高にテンションの上がるイベントが、私たちを待っている。

 

それは人生初の寝台列車

 

まずはこの鳳凰から車で約90分かけ、出発地点の懐化に向かう。そしてさらに懐化から紹興に向けて、約14時間の深夜特急に揺られるのだ。

 

この中国の変わりゆく大地を眺めながら、約半日も揺られ続ける。しかも夢にまで見た、あの深夜特急で。

 

 

何と高まるのだろう。あの深夜特急だ…。

 

子供の頃に何度も読み返した、沢木耕太郎先生の「深夜特急」。その中にも登場する、あの最高の乗り物に乗れるのだ。

 

もう想像するだけでよだれが溢れる、そんな特大アゲアゲイベント。それをあと14時間後に、心行くまで満喫できるという事実。

 

実は気持ちはバイバイ鳳凰…。ではなく、まだかな?紹興!である。お別れで寂しい気分はあまりなく、気分は2:8で寝台列車に傾いている。

 

ごめんね鳳凰。寂しさよりワクワクが勝っちゃって。

 

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そんなワクワクを鳳凰に悟られぬよう、生乾きの洗濯物をリュックに詰める。そして2晩お世話になった部屋の写真を、記念にパシャリ。

 

はっと気づいて布団も綺麗に整え、その下から探していた眼鏡も発見する。危うく鳳凰に置き忘れ、メガネメガネ…とお決まりのボケをかますところだった。

 

さらにそれを誰かが笑ってくれれば良いが、恐らくそのボケはこの中国では通じない。ガチで眼鏡を探しているだけの人になってしまう。

 

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部屋にお別れを告げ、ドミトリーの受付で荷物を預ける。そして「夜まで預かって欲しいんだけど」と店主にお願いすると、快く承諾してくれる。

 

さらに店主に手招きされ、行ってみると何やら一枚のチケットを見せてくれる。

それはどうやら、昨晩も経験した川下りのようだった。

 

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どうやらこの鳳凰では、夜だけでなく昼間の川下りも人気らしい。そしてそのチケットがあるから、良かったら買わないか?というお誘いだった。

 

ほうほう、このドミトリーでも販売されているのか。それなら昨晩のチケットも、こちらで購入させて頂けばよかった。

 

もちろんこちらの店主には、色々とお世話になっている。決して押しつけがましくない雰囲気でもあり、全然買ってもOKだ。

 

しかし昨晩も乗っていることもあり、少しでも節約したいのは事実である。そのためもちこも少し悩んでおり、店主もその雰囲気に気が付いている。

 

 

すると店主は意外にも、粘り強くチケットの購入を薦めてくる。さらに昼の川下りの素晴らしさを、巧みな表現力で説明してくれるのだ。

 

昼間だからこそ見える、煌びやかに反射する水面の美しさ。その光景は時に夜景よりも美しく、大変お勧めであるということ。

 

そして船は、観光客が足を踏み込めない秘密の場所まで進んでくれること。さらには価格は夜の半額であり、大変リーズナブルであるということも猛プッシュだ。

 

おお、結構ぐいぐい来るな。保険の勧誘のおばちゃんみたいだ。

 

私たちは昨晩の美しさを思い出し、同時に彼女の熱意に押されてしまう。そして思わず財布から80元を取り出し、昼間の川下りチケットを購入した。

※1人40元(約680円)

 

すると店長はすごく嬉しそうに、何度もお礼を伝えてくれた。いやいやこちらこそ、知らなかったら絶対逃してしまう魅惑のイベントだった。

 

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そして他にも受付で待っていた観光客たちと一緒に、私たちは川下りへと出発する。するとどうやら店主が乗り場に案内してくれるらしく、道中は楽しい話を聞かせてくれた。

 

この鳳凰の街で生きる、彼女や子供達の日々の生活や。自分たちはどうやってお金を稼ぎ、生計を立てているのかなど。

 

普段は全く聞けない話だから、かなり興味深い。想像できない出来事も、彼女たちの身の回りでは頻繁に起きているようだ。

 

その話には一切見栄はなく、彼女たちの等身大の生活を教えてくれた。しかし私は中国語が聞き取れないため、あとからトボトボ追いかけるだけだった。(相方が笑っているのを羨ましそうに見ているだけ)

 

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そんな彼女の話をもちこに訳して貰い、同時に街の朝を散策する。するとこの街の人々の生活が、より明確に理解できるようだった。

 

超観光地としての絶大な人気と、その中に根付く彼女たちのリアルな生活。この地を訪れる観光客にあまり見せないその姿は、本当に逞しかった。

 

子供も大人もお爺ちゃんもおばあちゃんも、みんな現役バリバリで働いている。定年退職なんて言葉は、この鳳凰にないのかもしれない。

 

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勿論この街も、最初から有名なわけではなかった。ここ数十年で爆発的な人気を博し、中国一美しいと呼ばれるまでになっている。

 

決して農耕や商売がやり易い立地ではなく、厳しい時代もあったのだろう。ただそれでもなお、この街の人々は快活で朗らかだった。

 

しかしふと、先ほどの出来事が気になってしまう。店主はなぜ、あれほどチケットの購入を勧めてくれたのだろう。

 

聞きづらそうなもちこに頼み、そんな質問を投げかけてみる。本当に失礼な質問だとは承知だったが、どうしてもその真実を聞いておきたい。

 

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すると店主は意外にも、自分からサクッと教えてくれる。あのチケットを売ったら、自分にもマージンが入るのだと。

 

だから貴方たちにも、良かったら買って欲しかったのだと。でも川下り自体は、本当にお勧めなんだからね!と。

 

そして彼女はさらに、追加で教えてくれた。そのマージンが、実は5元(※約85円)だということを。

 

 

5元。

 

え!?5元!?もちこに訳して貰った途端、少し声に出てしまった。本当に失礼でごめん。

 

つまり女性店主が受け取るマージンは、100円にも満たない金額だった。その報酬額は、貴方の素晴らしいサービスに妥当なのだろうか。 

 

これほど懇意に色々と手伝ってくれ、その報酬は見合っているのだろうか。考えれば考えるほど、この国の価格バランスに翻弄される。

 

今彼女は、私たちを含め5人の観光客を、船着き場まで見送ってくれている。つまり彼女が手にできる報酬は、約25元(約425円)に違いない。

 

しかし昨晩川沿いのバーで飲んだお酒が、一杯約80元(約1.360円)。その大きな価格差は、果たして正当なバランスなのだろうか。

 

もちろんお酒の価格も、超観光地としては妥当な金額だとは思う。それは川沿いにBARを建設した費用等を含めれば、決して暴利な金額ではないはずだ。

 

しかしそれでもなお、彼女の今回の報酬と思わず比較してしまう。いらぬお世話だとは知りつつも、彼女のサービスに正当な価格だとは考えづらい。

 

5元…。この数字は、今後5元の商品を見かける度に思い出す気がする。

 

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ただ彼女の楽しそうな接客を見ていると、それも一つの側面なのかと思ってしまう。もしかして彼女たちには、莫大なお金が欲しいという願望自体がないのかもしれない。

 

なぜならドミトリーで垣間見た彼女と家族たちは、既に十分楽しそうだった。勿論お金があるに越したことはないが、この鳳凰で大金持ちになる必要もないのかもしれない。

 

お金の価値観を、心の中ですら押し付けるべきではない。そう痛感した。

 

食べられるだけのお金があれば、十分だ。そんな意思は、彼女のドミトリーの宿泊価格(約一泊2500円)に現れている気がした。

 

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そして彼女の家族や生活の話に耳を傾けていると、船乗り場に到着する。それは夜のコースとは全く違う、いまだ足を踏み入れていない場所だった。

 

そしてそこには沢山の観光客が集まり、既に川下りを楽しんでいる。思ったよりも人が多く、昼の川下りも人気なのか!と心が躍りだす。

 

川の水も緑で綺麗だし、水中からどでかい生物も出てきそうだ。出てきたら出てきたで困るけど、是非出てきて欲しい。

 

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そしてもちこが自身の捻挫を忘れ、船に飛び乗ろうとする。同時に盛大にバランスを崩し、激痛と共に悶絶している。

 

私が慌てて起こすものの、どうやらまだまだ足は完治していないようだ。これはお土産屋さんにお邪魔して、ご老人用の杖を買っておくべきか。

 

うん、絶対そうした方が良い。ここは見栄えは気にしてはいけない。

 

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杖買うからね!

 

そうもちこに宣告すると、絶対嫌だ!と反論してくる。どうやらやはり杖のビジュアルが気に入らず、ケガ人扱いされたくないらしい。

 

ただ実際は楽しい旅もまだまだ続き、捻挫を早く治しておきたい。そのためここは見た目など気にせず、ガシガシ三本足で歩けばいいだろう。

 

しかしもちこはなかなか首を縦に振らず、説得まで約10分もかかってしまう。ダダをこねる子をなだめる父親とは、恐らくこんな気持ちなのだろう。

 

全然いうこと聞かない。でも私が子供の頃、最初に眼鏡が必要になった時も、確かにめっちゃ嫌だったもの。

 

 

船上でそんなやり取りをしていると、気付けば船は観光客で一杯になっていた。そして船上の船乗りさんがGOサインを出し、いざ出発進行だ。

 

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川は見事なほどに緑色に染まり、そして水草が一面荒ぶっている。水面を眺めているとマナティーが飛び出しそうな雰囲気だ。

 

さらにこの川底に本物の鳳凰が息づいていても、きっと誰も気が付かないだろう。そう思ってしまう程、川の水は深く緑色に染まっていた。

 

ざっぱぁ!!と飛び出てこないかな…。世界最初の目撃者になりたい。

 

 

そしてここから再度、私は無言になってしまう。もう私の稚拙な表現など、一切役に立たない時間の始まりだ。

 

さらに同時にここからは、言葉遣いが劇的に幼稚になるだろう。何卒、皆様のお許しを頂戴したい。

 

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あぁ…。

 

石橋が近づいてくる…。くぐっちゃうのかなぁ…。

 

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すごい…。石橋の裏に、ハトとかいる…。めっちゃ鳴いてる…。

 

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あれ…。前の船が、なんか近づいてきて…。

 

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あ、危なっ!!

 

ちょ、ちょっとおじちゃん!!今絶対、後ろ見てなかったでしょ!

 

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しかし優雅だなぁ…。このまま5時間くらい、乗せてくれないかなぁ…。

 

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すごい人だなぁ…。救命道具って、昼は着ないんだなぁ…。

 

でも後ろの船頭さんだけ、落ちても浮かびそうなダウン着てるなぁ…。ずるいなぁ…。

 

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…あれ? なんかもう、みんな川岸に向かって…。

 

あ、あの…。私あと5時間ほど、乗ってる予定なんだけど…。

 

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終わってしまった。

 

楽しい時間とは、なぜこれほど早く過ぎ去るのか。この鳳凰川下りには、時計を勝手に進ませる妖怪でもいるのだろうか。

 

いやぁ、しかし楽しかった。夜とはまた違った風景と風で、心をバスクリンで洗浄されたようだ。

 

夜の川下りも良いけれど、一度は乗りなよ、昼の川下り。」語呂が全然良くないけれど、一句歌うとしたらそんな感じ。

 

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そして辿り着いたのは、ドミトリーとは対岸のエリア。確かこちら側は、美味しいご飯が沢山あったような気がする。

 

そういえば朝ごはんも食べておらず、これはナイスなタイミングだ。ここはひとつ、鳳凰最後のお昼ご飯を散策しよう。

 

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物陰からにゃんこに睨まれ、足元でわんこにご飯をねだられ。この鳳凰の街は、本当に動物たちが沢山だ。

 

20mくらいはチョコチョコついてくるので、ちょっとしたドラクエの勇者気分が味わえる。タイミングさえよければ、ブレーメンの音楽隊みたいにできるかも。

 

あと彼らは、もしかして誰かが飼っているとかではなく、共存しているのかもしれない。首輪をしている動物も少なく、彼ら自身の野生の世界がありそうだ。

 

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持ち帰りたい程の絶品牛肉麺

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そんな動物たちに囲まれながら、昨日見つけたご飯屋を目指す。するとやはりもちこの移動速度がおかしく、明らかにご老人の速度である。

 

ひょこひょこ…。ひょこひょこ…。

 

そして何だか右足をかばい過ぎて、左足も痛そうだ。これはご飯を食べたらすぐに、杖の散策に向かうべきだろう。

 

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そして何とか辿り着いた、本日のお昼ご飯。それは昨晩大変混雑していた、牛肉麺のお店である。

 

この店は周囲の店より明らかに混雑しており、そしてかなりお手軽価格。この超観光地価格のリハビリには、まさに最適なお店だ。

 

香りも良し!値段も良し!そして「味も良し!」かどうかは、食べてから判断しよう。

 

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店内には観光客と現地の人が入り交じり、皆が美味しそうに食事をしている。どうやらそのお味はかなり激旨らしく、どんどん列も長くなっていく。

 

私たちも席に通され、お勧めらしい牛肉麺をオーダーする。ちなみにここは冒険するメニューが少なく、全てが牛肉麺で統一されている。

 

いいじゃない!新宿の刀削麺だったら、820円なのに!12元で食べられるとは、もうハッピーだ。

 

 

「何だか、麺久しぶりな気がするなぁ。中国の麺は独特の食感だから、凄く好みだなぁ。」

 

そんなことを話していると、もちこの表情がパッと明るくなる。う、うおぉ!と叫びだし、思わず何事か!!と尋ねてみる。

 

聞くとどうやら、AAAのNISSYのコンサートが当たったらしい。それもなかなか当たらない、プレミアムなシートのチケットだ。

 

川下りも最高だったし、チケットも当たったなぁ!まさに今日は、最高の一日だなぁ♪ 

 

そう言いながら、もちこは大変にっこにこだ。私もいいことは続くねぇ!と、相方としてすごく嬉しくなる。

 

 

しかし、ふと思う。そういえば自分は、日本に住んでいるのだったと。

 

あと4日後には日本に戻り、そして普段の仕事の日々が待っている。仕事は大好きだが、気軽に来れないこの場所とはお別れだ。

 

まさかNISSYのチケット当選で、現実を思い出すとは思わなかった。そしてこんな気持ちも、帰国したらすぐに忘れてしまうのだろう。

 

少しセンチメンタルな気分になり、寂しさも込みあげてくる。しかしそんな気持ちも、注文したブツで一気に吹き飛ばされてしまった。

 

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漬け玉子&啤酒。

 

本当に美味しい。中国ばんざい。煮卵ばんざい。

 

疲れた時や凹んだ時は、この二つを食べれば治るよね。すると大抵のお悩みは、意外とそんなに問題じゃないよね。

 

そんな悟りの境地に到達できる、この最強タッグ。やはり中国の味付けは、私には最高に美味しかった。

 

中国旅行記22に続く~ 

 

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